陸王のキャブレターの中身みせちゃいます

 


正月休みの余韻も冷めあらぬ1月10日
AIRONEを修理にだすと、ガレージの中の空間に大きな図体のバイクが浮かんだ。
鮭夫が25年間も持っている陸王750TRUである。

いつも奥の方でカバーをかけられてひと目につかないようになっている。
5年ほど前にタイムトンネルで走って以来、車検も取らずにおきっぱなしでした。
まあ、正月くらいエンジンかけてみようかとフトそう思った。

バッテリーはアンメーターがまだあるといっているが、まったくかかりそうも無い。火花も飛ぶ。
なんだか、クラッチがすべっているようである。 油が乾式クラッチにまわってしまったようだ。

それならばと、十数年ぶりにクラッチの分解、清掃などしてみた。
記憶は薄れたが手順は身体が覚えていた。なんとかクラッチの分解整備は完了した。

つぎは、キャブレターだ。
きっと、さびが出ちゃっているんだろうなあ。

予備に割りと程度のよさそうなキャブレターを買っておいたので使ってみようと思った。
陸王の弱点はキャブレターである。フロートに穴が開いて沈むトラブルはすでに三回も経験している。
その回数以上は分解しているということだ。




エアクリーナとはお世辞にもいえないような、メッキの丸いクリーナーカバーを外すとキャブレターが出てくる。
日本気化器 と書いてある。
品川のソニー本社が今は入っているが、北品川6丁目に日本気化器はあった。
陸王もおなじ品川で、ソニーの近くだった。
もっともソニー(東京通信工業)などは未だ小さな会社で陸王に比べるほどの会社でも無かったのは言うまでも無い。



左の画像にキャブがワイヤーにぶら下がっているのが見える。ピアノ線がアクセルワイヤーなのだ。
アクセルを開くと針金が出てくる。加速中にアクセルワイヤーが切れるとそのままになる。
リタンスプリングなどはついていない。手で戻す仕組みだ。



これは、低速と高速用の調整のピンだ。焼き鳥の串のようだ。右が程度のよさそうなもの。
左もまだ使えるが、いくぶんピンがやせている。




キャブの裏側から外す。ナットを取ると、また大き目のナットが出てくる。
これがフロート室を止めているのだ。




大きなナットをはずすと、中からびよおおおんとバネが出てくる。なんの役目なのか分からないがバネが出てくる。

右はフロートを外したところ。 なんとキャブレターは鉄なのだ。だから錆びる・・・・



こんな風になってます。緑色の塗装がされているが、下のほうは錆が出ている。


高速用のピンが穴刺してガソリンの量を調節している。フロート室には真鍮のフロートが見える。



赤いのはなにか? 言うまでも無い錆びです。 右がマトモなフロートと穴が開いて昔に修理をしたフロート。はんだが重くて上手くいかなかった。



こんな、実に重いゴツイ代物だ。構造はいたって簡単。下からチューチュー吸い上げて
上でぶはーっと噴出す仕組み。これぞ気化器というか霧吹き。





左は無論純正ではないが、ガソリンコック。農機具用らしい。

取り付けの終わったキャブレター。掃除の甲斐あってエンジンはすぐに始動した。
ガソリンはタンクの中のものは皆捨てた。バッテリーも充電しプラグも点検をした。
数年ぶりのエンジン始動でガレージは煙もくもくとなった。
新しいオイルはクラシック用の固めのオイルとした。
気持ちのいいアイドリングが響いた。

今年はこれで走って見たいと思う。





陸王のRTU型 1958年式。本来はフートチェンジなのだが、
前のオーナーがわざわざハンドチェンジに戻している。
この時代ハンドチェンジの方が乗り良いと考える人がいたということだ。
確かにあまり乗りやすいフートチェンジではなかったらしい。

足で踏んでたクラッチを手で引くのはやはり辛かったのでしょうか。
それとも陸王はこれだ!という美学でもあったのでしょうか。
理由は今となってはわからない。






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